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 4.スローライフのヒント  〜8.薪・炭・火を焚く暮らし〜            http://inakalife.net/


『すぐにできるドラム缶炭やき術』
比較的容易なドラム缶を使った炭の焼き方を解説

 ドラム缶は広く利用されていて入手が容易であり、ドラム缶窯は廃品リサイクルなので低コストだという。また、これによる炭焼きは土窯などよりも失敗が少なく、初めて挑む人が作業工程を会得するのにも、炭焼きの体験学習やデモンストレーションなどにも最適だということだ。

 本書はさまざまなドラム缶窯の作り方から設置法、炭焼き法までを詳細に解説している。文だけでなく、要所要所に大きめのイラスト・写真がふんだんに用いられており、作業の手順や結果が非常にわかりやすい。

 ただし、木酢液採取を推奨するわりには、冷却筒の設置法や状態をわかりやすく示した全体図がなかったのが残念だった。部分を示した写真は掲載されているものの、全く知識のない者にとっては、5mもある長い冷却筒をどうやって固定するのかなど、初歩的なことでも疑問に感じてしまう。

 しかし、全体で気になったのはこの点くらいであり、作業工程の進行に不可欠な煙の状態変化を、巻頭のカラー頁の中でカラー写真5枚できちんと示すなど、炭焼き法のエッセンスを、本書1冊で余すところなく伝えようとする真摯な姿勢が伝わってきた。


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『薪のある暮らし方』
薪をはじめ木質系燃料を焚くさまざまな道具を深く掘り下げて解説

 本書では、簡単手軽なものから究極の暖房システムまで、木を焚く暖房・調理器具が広く紹介されている。それは、昔懐かしい一斗缶コンロ・七輪・鉄板製薪ストーブ、近年のペレットやチップを燃料とするストーブやボイラーなど多岐にわたる。

 また、日本の焚き火・囲炉裏・かまど・こたつ・火鉢、西洋のハース(かまど)・キッチンストーブ・暖炉、またオンドル・ペチカなどのレンガや石造りの蓄熱式暖房など、古今東西、人間は木を焚く暮らしを脈々と営んできたことを絵本の挿し絵などから概括している。特にメイスンリ・ヒーター(石造りの蓄熱式薪ストーブ)については、排気のクリーン性、蓄熱式の快適性や経済性などから、著者は並々ならぬ強い関心を抱いていて、かなりの紙数が費やされている。

 さらに燃料についても、薪・柴・枝葉・木の根、木炭・チップ・おが屑・ペレット・ブリケット(オガライト)・炭化水素やエタノールなど、ひろく解説されていて勉強になる。

 パンやビザを焼く石窯も紹介されており、このような木を焚く暮らしの復権による里山の再生、廃材の再利用、家族の絆の強化などの著者の願いがまとめられている。


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『薪ストーブと囲炉裏の本』
直火のある暮らしに関心がある人のための平易な入門書

 前編では、薪ストーブのある暮らしをしている人と住まいの例、薪ストーブ料理、薪ストーブカタログ、薪ストーブの構造やストーブと煙突の設置法、使い方のマニュアルなどが紹介されている。読めばとても勉強になるが、写真がふんだんに使われていて、見ているだけでも楽しい。

 後編は、囲炉裏のある暮らしの例や囲炉裏のカタログ、囲炉裏の構造や使い方が解説されている。DIY囲炉裏の作り方まで紹介されていて、勉強になる。

 薪ストーブや囲炉裏の写真集としても十分楽しめ、また自宅への導入を検討しようと考えている人の入門書としても申し分ない一冊となっている。


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『薪割り礼讃』
薪を焚くライフスタイルを広く深く追究した奥深い本

 著者は、東京生まれの東京育ち、岩手県林業技術センター研究員で、薪割りや火を焚く生活を、自然体でこよなく愛している。本書は、単なる薪づくりの本ではなく、人間と薪や雑木林とのかかわり、戦後の燃料革命がもたらしたものなどを平易に解説しており、奥行きが深い。

 もちろん、雑木林の管理から薪づくりの方法、採暖・調理などの楽しみ方など、薪のある生活を、川上から川下まで体系的に、魅力的に紹介している。また、著者の住む盛岡周辺での薪を通じた人的交流やヨーロッパの薪・ストーブ事情なども紹介されている。日本と大差ないものと思い込み、あまり考えてもみなかったヨーロッパの燃料事情を知ることができたのは収穫であった。

 生活に薪ストーブ・囲炉裏など採り入れると聞くと、時代に逆行する懐古趣味かと思ってしまう。しかし、化石燃料の採掘・燃焼とは異なり、雑木林を管理・育成し、薪を燃焼させることは、二酸化炭素を循環させる営みであるという。「二酸化炭素」といい、「循環」といい、それは21世紀型の環境のキーワードである。薪を熱源とする生活は、まさに「温故知新」といえそうだ。


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『薪ストーブ大全』
薪ストーブと薪ストーブのある暮らしを手に入れるためのガイドブック

 この本は、薪ストーブと薪ストーブのある暮らしを送りたいと思う人のための完全ガイドブックをめざして編集された本である。薪ストーブに関する知識・ノウハウを多面的に解説した本なので、以下この本から得られる内容の概略を紹介する。

 第1章 薪ストーブの基礎知識 … 薪ストーブ本体の機能・構造・形状・デザイン・価格
 第2章 薪ストーブの選び方と設置 … 本体・煙突・炉台の選び方・設置法・施工法・安全基準
 第3章 薪ストーブの正しい使い方 … 新品の慣らし、シーズン始めと終わりのチェック、
                         着火・消火法、使用上の注意点
 第4章 薪に詳しくなる完全ガイド … 樹種と特徴、入手法、道具選びと手入れ、
                         割り方、乾燥と保管
 第5章 わが家の薪ストーブ自慢 … 12例の体験談(ストーブ選びや薪ストーブライフ)
 第6章 薪ストーブ・オール・カタログ … 輻射式>56種類、対流式>44種類、
                          暖炉式>15種類、複合式>25種類、
                          薪ストーブ風ガスストーブ>6種類
                          アクセサリー(用具セット・着火材・ウッドバスケット・
                          ログキャリー・温度計等の小物、炉台の素材)
 第7章 クッキング・ストーブの楽しみ方 … 構造・機能と使い方、カタログ、レシピ(9品)
 第8章 もっと広がる薪ストーブの世界 … 暖炉・ペチカ・オンドル、サウナ、
                            オーダーメイド・ストーブ、時計型ストーブ、
                            薪ストーブのDIY、薪ストーブのシステム利用術
 第9章 ストーブ・メンテナンスのABC … 服装・道具と入手方法、煙突・本体の掃除方法、
 第10章 薪ストーブ・データブック … 用語辞典、ショップ&ショールーム・ガイド、
                         メーカー&ディーラーのリスト

 図・写真・イラスト等も豊富で十分な大きさであり、わかりやすい。ざっと数えただけで関連の広告が18ページほどあるが、価格は税込みで3,000円超だ。同じシリーズで500円高い『手作りログハウス大全』の内容の豊富さやページ数の多さをすでに知っている者としては、3,000円越えは若干高いような気もする。

 薪ストーブについては、同シリーズの同書や『薪ストーブと囲炉裏の本』でもかなり紹介されているが、薪ストーブそのものだけではなしに、薪ストーブライフに必要な知識を網羅的に紹介している点がこの本の特色である。最初から本気でお目当てが薪ストーブと決まっている場合は、少々値は張っても本書を入手した方がよいと思う。

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