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4.スローライフのヒント 〜6.環境/生態系/生物多様性〜 http://inakalife.net/ |
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『自然再生 持続可能な生態系のために』 | |
人類の「征服型戦略」から「積極的共生型戦略」への転換の必要を説く | |
本書はまず、ホモ・サピエンスの登場以来すすめられてきた、自然環境に対する「征服型戦略」の行き詰まりを指摘する。そして、日本だけではなく、世界各地でも、危機に瀕している「生物多様性」を守るために、「征服型戦略」から「積極的共生型戦略」に転換する必要性を説く。 「多様性」と「共生」をキーワードに、話題は世界各地を駆けめぐる。また、再生の具体例のみならず、行き詰まりの源を根本から問い直し、求められる新たな「発想」を紹介している点で示唆に富む。 なお、本書では日本と同じ島嶼国の例として、イギリスやニュージーランドの事例が紹介されている。日本の里山や水田の機能を、イギリスでは機械化で消滅していった農場の「生け垣」が果たしてきたという。現在は、その再生が進められているということだ。エンクロージャーで知られるイギリスだが、「生け垣」に柵以上の大切な機能があったというのが、私としては新たな知識であった。 |
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『里山再生』 | |
放置されて荒廃しつつある里山を人間が再び活用することで再生する必要を説く | |
本書はまず、里山が手つかずの純然たる自然ではなく、「二次的自然」であり、人間もその一部に含むシステムであることを強調している。このため、里山には「保護」ではなく、人間が積極的に手を加え、「活用」する必要があると説いている。 現在、開発をはじめ、放棄、移入種や農薬、廃棄物などによって、里山システムは崩壊の危機に直面している。そこで、里山地域の住民や自治体、NPO法人などが、里山を都市住民のボランティア活動、環境学習・生活体験学習の場とするなど、様々な再生の取り組みを始めていることが紹介されている。日本の里山の現在が簡潔にまとめられた書である。 |
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『カラー版 里山を歩こう』 | |
人間の働きかけも含めた里山の動植物の営みを画像と文章で描写 | |
著者は、背後に比叡山、前には琵琶湖のある滋賀県大津市仰木の地を、28年間見つめてきた。 本書は、その仰木の地の里山空間の棚田と雑木林の四季のうつろいを、豊富なカラー写真と文章で描写している。 棚田や雑木林は、いわゆる「手つかずの自然」とは異なる、人手によって維持されてきた空間である。そこに住む動植物によって織りなされる生態系の営みに、春の田おこしから始まる「人間の営み」がしっかりと組み込まれている点が特に印象深かった。 里山の景観・生きもの・農業・民俗など、多面的に現代の里山の姿を描き出すことに成功している。 |
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『日本の森はなぜ危機なのか』 | |
危機的状況といわれる現在の日本の森林の実像をわかりやすく解説 | |
日本の森林は、「人の手が入り過ぎる」lことよりも、「人の手が入らない」ことで危機的状況となっている。このため、環境保全や公益的機能に着目する視点から森林を維持していく道が探られている。 これに対して筆者は、低コスト化と現代社会の需要に即した新商品開発などによる森林と林業の健全化を提唱し、様々な新動向を紹介している。 「林業とは木材生産業である」、「かつて林業は木を売って儲けていた」、「外材の安さや太さに国産材は負けた」、「日本は外国より人工林が多く高賃金で山が急峻だからコストが高い」、「都市住民の森林ボランティアが労働力として有効である」、「人が植林し、間伐・下刈をしなければ木は育たない」などの理解は、場所・樹種・育成法・時代などの諸条件次第では、必ずしも普遍化できない「誤解」であることが指摘されていて興味深い。 |
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