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 4.スローライフのヒント 〜5.旧暦の活用/歳時記〜             http://inakalife.net/


『旧暦スローライフ歳時記』
旧暦の12カ月を月ごとに紹介

 全体を旧暦の12カ月で章立てし、月ごとに「時候・行事・歴史」(二十四節気・年中行事・歴史上の事件)・「天文・気象」・「生活」・「旬の味覚」・「動物・植物」・「コラム」(暦学にまつわる豆知識)の節が設けられている。全体を通読すると、旧暦に密着したスローライフの本というよりも、旧暦と時候や年中行事等の解説本と理解した方がよい。

 通読してみたが、いま読んでいる節の話題が前後の節とは無関係なので流れがなく、通読するにはかなり苦痛で時間を要する。特に、その月に起こった歴史的事件を紹介する節があるが、「旧暦スローライフ」という書名の本で取り上げる必要があったかは、はなはだ疑問である。本書は、通読するよりも、各月の関心のある節を拾い読みして次の月に進んでいった方が、季節の移ろいが鮮明になり、読みやすいと思う。

 なお、終章には、西洋・東洋と日本の暦の歴史に関する簡単な解説があるが、これを先に読んでもよいと思う。


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『旧暦はくらしの羅針盤』
旧暦の持つ利点を再評価し、生活・ビジネスへの活用を説く

 著者は、1970年代にタイのバンコクに繊維会社の営業で駐在していたときに華人と交際して「農暦」(旧暦)と出会う。

 旧暦というと、今となっては役に立たない古い暦という印象があるが、著者はアジアのモンスーン気候帯の季節の移り変わりを、太陽暦よりもはるかに正確に反映している暦として注目し、年間の天候予測にも活用している。年間の天候予測をある程度事前に把握できるならば、農業はもちろんその他にも恩恵を受けるビジネスは少なくない。また、衣替えなど生活にも役に立つ。現代のビジネスや生活に、旧暦のよさを採り入れようというのが著者の主張である。

 本書では、旧暦や他の暦、旧暦と季節・年中行事の関係、旧暦と歴史的事件など、旧暦とその周縁に関する基礎的知識が平易に概括されている。サイズ・価格ともにお手頃な新書版なので、旧暦の感覚を採り入れたスローライフを送るのに参考にしたい本である。


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『旧暦と暮らす』
旧暦のもつアジアの地域暦・自然暦としての性格を再評価し、その活用を説く

 「旧暦」、すなわち太陽太陰暦が気候や生命活動などの季節の変化、災害などのサイクルを反映した、アジアの地域暦・自然暦としての特性を持つことを再評価し、旧暦カレンダーを文学やアウトドアなどの趣味、生業やビジネスなどに活用することを提唱する。

 暦を語るのに避けて通れない天体運行に始まる諸々の解説も、簡潔にして要領を得ており、抵抗なく読み進められる。さらに、著者はヨットによる世界周航の経験者であり、また旧暦カレンダーを活用している各分野の14人もの体験談を1章を設けて紹介するなど、単なる「旧暦」の知識の書に留まらず、「旧暦」を実感(体感)できる書とすることに成功している。

 「田舎暮らし」・「田舎移住」がスローライフを実現するための空間を確保する手段ならば、「旧暦」の活用はそのための時間を確保する手段といえそうである。空間に加え、時間も意識すれば、生活に一層の「豊かさ」がもたらされそうである。「旧暦」を生活に採り入れようとする人の必読書といえよう。


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