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3.週末田舎暮らし http://inakalife.net/ | |
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『週末田舎暮らし術』 | |
週末田舎暮らしのイメージづくりや実践のヒントに… | |
この本は、カバーに「つくる 憩う 味わう 自然とのんびりつきあうためのアイデア 101」と示されているように、週末田舎暮らしに関する101の小テーマを設けて楽しみ方を紹介する。全体は、「T ベースをつくる」、「U 生活用具をつくる」、「V 育てる」、「W 食材を仕込む」、「X 憩う」、「Y 味わう」の6つのテーマにで構成されている。 Tでは、ペースとなる土地の情報収集から解説されている。これこそあらゆる「たのしみ」の実現性を左右する大前提であり、冒頭にスペースを割いて解説している点で好印象を抱いた。次いで、必要な道具、水場づくり、ファイヤー・プレイスの設置の方法、物置小屋づくりが紹介されている。 Uは、生活用具のハンド・メイドのノウハウを紹介する。米櫃卓(もの入れ兼用卓)、七輪陶芸での器作り、自然木を生かした木工芸に竹細工、和紙・布の柿渋染め、銘木と蜜蝋を使った木工芸、木竹を利用した照明器具づくりなどの方法が説明・図解されている。 Vは、食材の栽培・飼育に関するもので、菜園づくり、作物の育て方、山葵や山菜の栽培、渓流魚の飼育が紹介されている。Wは、米糀味噌・柚子胡椒・辛味南蛮・ポン酢・梅醤油・ピリ辛酢・バジルペースト・オイルトマトなどさまざまな自家製調味料づくり、とわかめ・魚肉・野菜・茶・コンニャクなどの乾物づくりを紹介する。 Xは、ウッドデッキ・露天風呂・木の葉のベッド・縁台・長火鉢・ミニ芝垣・ミニ石庭・流木アートなど、くつろぎの空間を自作で演出するさまざまな物作りを紹介する。Yは、季節ごとの旬を味わうための料理レシピ、さまざまな酒の仕込み方や漬け物のレシピ紹介である。 また、各章末には、2×材の活用、塗料の解説、有機肥料の活用、食材の保存法、自然素材の紹介など、生活に役立つ知識がコラムとして紹介されている。 全ページにわたってオールカラーのイラスト・写真が豊富であり、各小テーマも簡潔にまとまっている。これを1から101まで制覇するのは毛頭無理な話でだろう。冒頭の土地の情報収集は必読の上で、興味を抱いた箇所から読んで、それを自分の週末田舎暮らしに少しずつ取り込んでみるという活用法がよいと思う。また、週末田舎暮らしを初めてイメージした人が、そのイメージを具体的に固めていくのにも一役買う本だろう。 |
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『都会人ののらしごと』 | |
初心者向け週末菜園づくりの入門書 | |
この本は、「畑を借りて農作業を楽しむ週末田舎暮らし」のガイドブックである。カラー写真をふんだんに用い、デザインやレイアウトも「黙々と農作業」ではなく、「アウトドアでの明るく楽しいレジャー」というイメージにまとめられており、好印象を受けた。菜園初心者へのガイドブックとして十分な配慮がなされていると言えよう。 内容も、畑の借り方・作物選び・年間計画・畑のレイアウト・土づくり・肥料づくり・栽培管理や代表的な作物の栽培のポイントなども、初心者向けに簡潔によくまとめられている。また、害虫対策・植物同士の相性・ハーブの効能なども紹介されている。さらに、収穫後のさまざまな保存法まで解説している点で、配慮が行き届いた入門書といえよう。加えて「畑の借り方、教えます」として、首都圏向けにレンタル農園・クラインガルデン・市民農園の情報も掲載されており、屋上菜園・水耕栽培の楽しみなども紹介されている。 欲を言えば、「虫」は名前を挙げるだけでなく、視覚的「免疫力」をつけるためにも、カラー写真が欲しかった。「都会人」の菜園づくりで一番のハードルは、何をおいても「虫」だと思う。菜園を確保してから実物に遭遇し、虫が怖くて足が向かないようでは、当人がかわいそうと言うものだ。 また、「農機具の紹介」はもっと徹底的な農機の比較が欲しかったし、そもそも「都会人」の週末菜園ならば、基本的な農具の解説から必要ではないか。一方、「冬だって楽しめる自然の中の遊び 全国自然体験ガイド」・「田舎暮らしを始めるなら、うちの村においで」・「田舎で『農業』始めます」(新規就農向け)・「Q&A田舎暮らし」などは、本書のテーマからすれば、付録の域を出ないと思う。なくてもよいのではと感じた。また、全体的に見て、巻末に近づくほど時間切れか、力尽きたかのように企画・編集・校正の質が低下している点が残念だった。※ しかしながら、はじめに記したように、肝心の本編は菜園初心者の都会人を対象としたガイドブックとして一読に値する内容の本である。 |
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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ※ 否定的・批判的なコメントをしたので、以下に根拠を明示しておきたい。 まず、校正であるが、一読しただけでは、本編には一文中の常体と敬体の不統一が1ページに2カ所(P.34の4段目)あったくらいだと思うが、最後の方になると「居間まで」(→今まで)、「別の蚕業」・「他の蚕業」(→産業)(以上P.91)、「りフーム」(→リフォーム)(P.94)など、校正したとはにわかに信じ難い箇所がある。 また、一般的な田舎暮らしの問題点を紹介する「Q&A田舎暮らし」では、リードで「専門家に問題点を聞いてみた」としながら、その「専門家」を紹介することなく、Q&Aに突入する。回答者がわかるのは、ページをめくったこのコーナーの末尾である。ただし、回答した会社名(所在地・回答者名は無記載)、電話番号を掲載し、「※同社は関西地方の田舎物件について案内している」とあるのみだ。 さらに、A(回答者)は「よければご紹介しますよ」・「弊社で建築の相談もさせていただきます」・「ご希望を聞かせていただければ、…すぐにご連絡させていただきます」・「管理内容等、弊社にご相談ください」という言いまわしで回答している。取材メモを企画にあわせて編集し直すことなく掲載したのでは?という失礼な勘ぐりさえ抱いてしまう。何とも後味の悪い本だった。 |
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『自然と菜園作り健康生活スタイル 週末田舎暮らし』 | |
二地域居住のライフスタイルの事例を紹介 | |
この本では、国土交通省の2地域居住人口研究会の定義を示して「2地域居住」という言葉が用いられている。すなわち、本書が扱うライフスタイルは田舎滞在が必ずしも週末のみとは限らない。たとえば、退職組の田舎滞在は週末のみには限定されない。 本編では、はじめに福島・和歌山・長野で田舎暮らしをしている人たちを12例紹介している。内容は、「2地域居住」に至った動機や田舎での暮らしぶりが中心である。次いで、クラインガルデン(滞在型市民農園)を活用した「2地域居住」について解説されており、茨城と長野の事例が5家族ずつ紹介されている。 最後は、古民家を使用料を払って共同利用する古民家ロッジや1軒貸切の貸民家の紹介、八ヶ岳エリアでできる田舎体験が紹介されている。しかし、これは「2地域居住」のテーマに固有の必要不可欠な内容ではなく、編集の意図はほとんど宣伝広告だろう。この部分が本編の最後をなすことで、本書の「週末田舎暮らし」のすすめというテーマがぼやけてしまっているような気がした。 全体的にみると、本としての構成は必ずしも明瞭ではなく、事例紹介も「田舎滞在」偏重で、「2地域居住」特有の領域への踏み込みが不十分に感じられた。ただし、住まいや菜園の写真は大きくて豊富であった。 |
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『週末スローライフ』 | |
四季折々の自然に親子で親しむ週末スローライフ | |
料理研究家の著者が週末のスローライフを、子どもが幼稚園児や小学生だった20年あまり前の回想録の形にまとめた本である。 全体を春夏秋冬にわけ、里山での野遊び、夏山や海でのキャンプ、秋の山でのきのこ採り、年末年始の年中行事など、楽しかった思い出が季節ごとにつづられている。また、季節ごとの食材を活かしたレシピ、食材や料理などにまつわる思い出や豆知識などをまとめたコラムも豊富である。読んでいて、生活の根幹は食にありという感を強くした。 主人公の「ママ」、一男二女の子どもたちの活き活きとした活動ぶりもさることながら、雑誌社のカメラマンという「パパ」もまた、子ども時代からの体験に根ざした豊富な野外知識を子どもたちに伝授するなど、頼りがいのある格好いいお父さんぶりを発揮している。スローライフに親しむ幸せ家族ぶりが余すところなく伝わってくる本である。 |
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『週末農業を楽しむ本』 | |
小さく始めて大きく育て上げた週末農業の取り組みを紹介 | |
鎌倉に住む著者が茨城県の筑波山麓にある八郷町に農地を借り、「土日農業研究会」を組織して「週末農業」に取り組んできた記録が中心にまとめられている。 また、失敗を経験しながら耕作面積や作付品目を年々拡大し、やがて有機無農薬栽培を目指し、コスト削減にも取り組み、納豆などの食品加工にも挑戦していく過程がうかがえる。 また、農業を核に、多方面に活動を拡げている人々の取り組みや、「週末農業」を始めるノウハウ、参考となる資料も紹介されている。 「週末農業」への取り組みは、決して立ち上げから完璧を期して無理することなく、できる範囲で徐々に拡張していくことが要諦のようだ。 |
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『週末田舎暮らしのすすめ』 | |
Iターンをめざすも転じて週末田舎暮らしを始めた経験を踏まえたアドバイスを紹介 | |
都立高校の美術教師をしている30過ぎの著者は、東京を離れたいと思い、Iターンを目指すが、いろいろ考えたものの転職に踏み切れず、東京の家から車で1時間半の場所に週末のアトリエを建てた。週末アトリエ計画は失敗だったが、その山梨県内に建てたアトリエをセカンドハウスにして「週末田舎暮らし」を実践している。 「週末田舎暮らし」の選択は、Iターンからすれば次善の策で中途半端なように思える。しかし、Iターンで負う仕事と収入の確保という大きないリスクを背負う心配がないなど、さまざまなメリットがあり、週末の田舎で過ごす時間にかなり満足しているという。 このような「週末田舎暮らし」のよさを紹介しているほか、自分や知人などの経験をもとにした「週末田舎暮らし」の土地選び、住宅の確保や田舎での過ごし方などについて、さまざまな留意点が述べられている。全115頁の薄い本で、内容も平易であり、短時間でさっと読める一冊となっている。 |
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『週末は田舎暮らし−二住生活のすすめ』 | |
都会と田舎の両方を有効に活用している建築家による経験的アドバイス | |
東京と八ヶ岳山麓との間で「二住生活」をしている建築家の週末田舎暮らしの書である。 その家族の暮らしぶりも楽しく読めるが、印象的なのは、生活の糧を得る必要から仕方なく平日は都会暮らしをしているのではなく、都会暮らしと田舎暮らしの両方に意義を見出し、それぞれの環境を有効に活用していることである。 まさに、「二重生活」ならぬ「二住生活」という、サブタイトル通りのライフスタイルである。 また、タイトルからしても、本書が「週末田舎暮らし」のライフスタイルを提起している書であることは疑いないが、建築家の著書だけあって、本書では田舎に住宅を取得する際の立地・間取・建材・設備などの注意点にも多くのページが割かれている。田舎に住宅を建築しようとする人には、この点でも大いに参考となるだろう。 |
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