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1.田舎移住ガイド (〜2005) http://inakalife.net/ | |
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『月10万円で豊かに暮らせる町&村』 vol.1 | |
TV番組を活字化した田舎暮らしのサンプル集 | |
この本は、テレビ東京系で放映中の同タイトルの番組内容を出版した本である。系列局のない地域では馴染みがないと思うが、1時間番組で得たそのギャラで何ヶ月暮らせるんだろうという司会者やゲストの方々が、映像を見て、「いや〜、すてきですねぇ〜」・「ぜいたくですねぇ〜」・「うらやましいですねぇ〜」などのコメントを連発している番組だ。 この本は、各ページともカラー写真が豊富で、レイアウトが洗練されていると思う。その内容は、29の町村を、4章立てで、「自然の恵みを存分に味わえる町&村」・「家族の絆が強まる町&村」・「やりたいことに出会える町&村」・「日本人でよかったと思える町&村」という意味不明瞭なキーワードで分類し、紹介している(それ以外の町&村はそうではないということか?)。 また、「移住のホンネ!」と題した移住者のコメント(ホンネというほど大げさではない)や、第5章に10ページほど書かれている移住に関するアドバイスは、田舎移住のさわりとしては参考になるかもしれない。全体的にみて、日本全国にはこんな町や村があります、こんな家族が生活していますという、サンプル集のような本である。 |
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『図解 田舎暮らし』 | |
田舎暮らしをおもしろおかしく解説したノリの軽い解説本 | |
この本は、見開きの右ページに説明文、左ページに図解という構成をとり、田舎暮らしをおもしろおかしく解説している。良くも悪しくも、ノリは非常に軽い。今までにないスタイルの田舎暮らしガイドブックだ。 帯に「田舎暮らしを夢見たら、読む本。」とあるが、読むならば、まさに「夢」の段階のうちに読むべきだろう。不動産や残りの人生のあり方などの重い課題を負いながら、田舎暮らしに踏み切るかどうかを真剣に悩んでいる段階で読む本ではないと思う。 また、編者の「田園生活推進班」の方々は、どれだけ真摯に田舎暮らしを推進しようとされているのか、どの程度きちんと実地に取材して執筆されたのか疑わしい記述があるのが残念だ。1例だが、P.62の「アルミ製スコップ」の解説コメントに、「カチカチに凍った雪を処理する」とある。しかし、そのようなことは絶対不可能なのが、雪国の常識だ。「カチカチに凍った雪」には、剣先スコップですら歯が立たない。 |
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『田舎暮らしをさっさとやろう』 | |
モチーフ別に田舎暮らしの留意点を総花的に解説 | |
この本は、「田舎暮らし」をしようとしている人へのマニュアル本である。動機別・志向別にその留意点をあげ、情報収集・田舎体験・不動産取得・就業や起業などのアドバイス、自治体の支援策などの紹介、農作業のガイドなど、取り上げる」範囲は、田舎暮らし全般にわたっている。 しかし、「さっさとはじめよう」という書名のわりには、内容がクイック・マニュアル的ではない。田舎暮らし志向の高まりの要因を解説し、さらに移住までの経緯や移住後のライフスタイルごとに16パターンにまで細分して田舎暮らしを紹介するなど、分析本かと思うほどに総花的である。 また、この本には、個人的実体験や取材体験など、著者の経歴に関する情報がそれとして明示されていない。さらに、特定人物のオリジナルな体験も紹介されていない。人生の転機となる決断を、ソースが不明な情報に左右されることがあってよいものだろうか。 |
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『いつかは海辺の家で暮らす』 | |
海辺暮らしに焦点を絞った役立つアドバイスが満載 | |
この本には、海辺の暮らしの魅力、実践例、物件入手の留意点、住まい方、近所づきあい、生活の楽しみ方、著者が理想とするハワイの海辺暮らしの紹介、日本各地の海辺エリアガイドなど、海辺の暮らしに関する情報がふんだんに盛り込まれている。単に、海辺のプラスイメージのみを振りまくことはせず、海辺の暮らしならではの難点もきちんと伝え、その対策も解説している。 また、「どこで暮らすか」より、「どのように暮らすか」が大切という、筆者のいちばん発信したかったであろうメッセージが、全体を通じてよく伝わってきた。 田舎暮らしを紹介した本は数多いが、もっぱら海辺の暮らしに内容を限定した本は稀少であり、その上、内容の質・ボリュームとも十分で、海辺の暮らしにあこがれる人、特に海辺で生活した経験のない人には、必読の書といえる。 |
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『100万人のふるさと回帰宣言!』 | |
田舎移住支援運動の趣旨と方向性を示したパネルディスカッションを収録 | |
JA全中のよびかけで、連合・生協・漁協・森林組合などの多くの団体が参加して始まった「100万人のふるさと回帰運動」の趣旨や経緯、活動の方向性などを示した本である。内容はシンポジウムのパネルディスカッション収録集の形式となっている。 この運動は、都会に住むIJUターン(移住)志望者を支援する一大組織運動であり、このような支援活動があることを知るならば、移住志望者には心強い限りだろう。 ただし、農山漁村サイドの組織のよびかけで始まったためか、「ふるさと」・「回帰」という、指し示す概念が限定的な語句を用いたネーミングが気になった。運動の支援対象となる多様なIJUターン(移住)志望者個人の耳目に触れたとき、広範な志望者に違和感なく受け容れられる言葉だろうか。 それはともかくとして、本書は、都会人にも、農山漁村で暮らすに人も、自らの生活空間と生活様式を見つめ直すきっかけとして有益な本であると思う。 |
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『田舎暮らし虎の巻』 | |
本気で考える人が腰を据えて読むべき重量級の田舎暮らし入門 | |
本書は、「ふるさと情報館」の運営会社の代表取締役による田舎暮らし入門である。ハードカバーの装丁で、全9章351頁とボリュームたっぷりの書である。 まず、@最近の田舎暮らし指向の概観に始まり、Aさまざまな田舎暮らしのスタイルを紹介する。ついで、B知っておくべき田舎の土地事情を解説し、C居所の定め方、D土地の購入の方法に説きおよぶ。さらに、Eあとで知らなかったでは済まされないライフラインの知識、F田舎の住宅事情と住まい方、G菜園づくり、下水処理、ごみ処理、薪の利用などの生活全般の解説、H田舎社会の特質とつきあい方などが説明されている。著者が多くの田舎暮らし実践者を見てきただけあって、どれも豊富な実例で解説されているのが特徴である。いざ行動を起こす前に一読しておきたい本といえよう。 ただし、質・量ともに肉厚なので、田舎暮らし関係の本をちょっと読んでみたいというニーズには向かないだろう。重量級の書であるが、各節の末尾にその要点を「虎の巻」として2〜3項目の箇条書きでまとめている配慮が心にくい。 |
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『田舎暮らしバンザイ!!』 | |
Webサイトのリンク集を思わせるライトな農的田舎暮らしのすすめ | |
この本は、読者に農的田舎暮らしの情報を提供し、それをすすめている。 第1章は、全国各地のグリーンツーリズム、体験民宿、ワーキングホリデー、貸し農園、クラインガルデンを紹介している。第2章は、セカンドハウス編とし、別荘暮らしを営む4家族の事例と不動産物件の紹介からなる。第3章は、移住編として、花き栽培・養鶏・ワインブドウ栽培・水稲耕作中心の複合農業経営などを営む人の事例を紹介し、また新規就農の資金繰りを解説している。第4章では、田舎暮らしサポート情報として、自治体の支援制度や田舎暮らしサイト、就農準備校の情報を紹介している。 まるでWebサイトのリンク集のような本で、良くも悪しくも「軽い」本であり、ページ数や価格のわりに数時間であっさり読み切れる。インターネットに馴染みのない「熟年」層をターゲットにした本だろうか。 また、この本には、巻末にも裏表紙やカバー・帯にも、編著者の紹介が見られない。編著者の顔が見えない本と生産者の顔が見えない農産物というのは、やはり安全性や品質に不安を抱いてしまう。 |
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『失敗しない田舎暮らし入門』 | |
ボリュームが適切で役立つノウハウ満載!田舎暮らしの教科書 | |
著者は有名な『田舎暮らしの本』の創刊当初からの取材スタッフであり、田舎暮らしの地域選びから、田舎社会・生活・仕事・法律知識、不動産取得、水の確保など必要不可欠な田舎暮らしのノウハウが解説されている。家庭菜園・食品加工・動物や木の管理など、田舎暮らしをより楽しむための知識も盛りだくさんである。 田舎暮らしにあこがれを抱いた人が、田舎暮らしを現実のものとしてイメージするときに一読したい一冊で、まずこれを読んで進むか退くかを判断するとよいように思う。「失敗する」田舎暮らしとは、都会人が非現実的で楽観的なイメージだけで実行に踏み切ったケースが多いようだ。 |
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『40歳からの都会2田舎8の生活術』 | |
都会との仕事の結びつきを切らないスタイルの田舎暮らしを解説 | |
著者は40歳で出版社を辞め、摩周湖で有名な北海道の弟子屈町(てしかがちょう)にログハウスを建てて移り住んだフリー・ライターである。著者が勧めるのは、都会を捨てて田舎移住することではない。著者自身のライフスタイルに見るように、都会との結びつきを保った上で、そこから仕事・収入を得て田舎で暮らすスタイルである。 第1章は、主に著者自身の田舎移住と田舎暮らしの紹介、およびその体験で得たアドバイスが記されている。第2〜4章では、「遠距離通勤型」・「在宅勤務型」の田舎暮らしをする人の例とそこから得られるアドバイスが紹介されている。また、地方都市で職を得て、その郊外で生活する「地方都市通勤型」、パソコンとネット回線を駆使する「SOHO型」、都会にセカンドハウスを持つ「都会セカンドハウス型」、都会の会社との打ち合わせなど、必要な時のみ都会に出向く「ときどき出稼ぎ型」などの例も紹介されている。章末に、そのタイプごとのメリットやデメリット(克服すべき課題)を整理し、並記している点で、単なる田舎暮らし礼讃や田舎暮らしブームにあやかった本とは一線を画している。また、終章(第5章)では田舎暮らしの現実を知らないと見誤りがちな様々なアドバイスを提示して全体を締め括っている。 年金生活者はともかく、現役世代が都会から収入を得られて田舎暮らしと聞くとかなり魅力的ではある。しかし、出版関係・IT関係などがわかりやすい例であるが、基本的にそのようなライフ・スタイルは、都会の企業などで築き上げた特別なスキル、実務経験を伴う資格や稼ぎ出した資金、そして人間関係などが前提となっているのであり、田舎移住を実行に移すかなり前の段階からのキャリア・アップが不可欠のようだ。 |
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『田舎暮らしの大きな落とし穴』 | |
不動産業者が見た失敗例に学ぶ田舎暮らしのアドバイス | |
福島県在住で、田舎暮らしを受け容れる不動産業などを手掛けてきた著者が、15年間にわたって体験し、見聞してきた失敗例の数々から、田舎暮らしを計画している人へのアドバイスを綴った本である。 田舎暮らし関連の本といえば、商業目的からすてきなイメージを先行させたり、サクセス・ストーリーを前面に押し出す本が多い中にあって、それとはスタンスを異にする個性的な本である。無い物ねだりをすれば、田舎暮らしから撤退した人の手記や取材レポートなどをまとめた本の出版を望みたいが、そのような内容を出版にこぎ着けられる実現性は極めて低いだろう。したがって、田舎暮らしに失敗した当事者による体験記ではなくとも、資金計画・土地探し・契約などの不動産の入手法、間取や立地等の住居に関するアドバイスなど、この本の内容は一読の価値がある。 特に、自分の志向やライフスタイルの変化を十分に考慮すべきとする提言が強く印象に残った。 |
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『成功する田舎暮らし入門』 | |
見やすい、読みやすい、解りやすいの3拍子揃った田舎暮らし入門 | |
この本は、タレントの清水國明とダニエル=カールの田舎暮らしの対談から始まって、「自然と暮らす」5例、「山の麓で暮らす」4例、「田舎で店を開く」3例、「自給自足」3例、「アート活動」3例と、各地での田舎暮らしの実例を紹介している。カラー写真をふんだんに配しており、イメージが湧きやすい。 また、後半は田舎暮らしの実践手順、計画時の注意点、地方自治体の支援策、体験ツアーなどが細かく紹介されている。また、田舎での仕事についても、自営業・農業・漁業・林業・資格取得・職業訓練校の利用などの概要も紹介している。不動産取得・資金繰り・近所づきあい、SOHOや定年後の田舎暮らしに至るまで、さまざまなノウハウが解説されていて参考になる。 前半の田舎暮らしの実践例といい、後半の実践のためのノウハウといい、内容がとても充実していておすすめできる。見てよし、読んでよしの内容なので、私は、買ってから少なくとも3回は読んだと思う。 |
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『選択・定年田舎暮らし』 | |
自分のあり方とふさわしいライフステージを考えさせてくれる定年田舎暮らし入門 | |
この本は、月刊『田舎暮らしの本』(宝島社)に1997〜99年に掲載された著者の記事を中心に編集されている。 新しい自立した人生を求め、定年退職・早期退職後、自然を身近に感じながら暮らすことを決めた夫婦の、移住するまでの経緯や移住後の暮らしぶりを、10例近く紹介している。これらの人たちは、自らが必要とされていることや自分の日々の仕事にやりがいを感じて生活し、柔軟な思考や旺盛な好奇心を持ち、心身共に健康で、明るく積極的に生きているという。 この本は、このような暮らしを始めるにあたってのノウハウやお役立ち情報の類を伝えることを目的とした本ではない。そのような情報は、他の本に求めるべきであろう。この本を読む際には、どのような考えを抱いた人が、どのような暮らしを営んでいるのかというシンプルな観点に立ちたい。そうすれば、読者自身が何を考え、何を求め、どうしたいのかという「自分像」が明確になることだろう。 |
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『40歳からの田舎暮らし』 | |
人生のセカンド・ステージを田舎に定めた人の事例を多数紹介 | |
この本は、『週刊 東洋経済』に1991〜95年に連載された著者による連載記事「人生二毛作」を再編集したものである。中では、人生の途中から活動の拠点を自然の豊富な田舎に定めた24人の例が紹介されている。工芸やNGO活動を始めた人の例も紹介されているが、就農者の例が多く、各地でさまざまな作物づくりに奮闘している。 1人に6〜8頁ほどの紙数で、個人や家族のプロフィール、田舎暮らしに至る経緯や資金調達、移住後の活動の様子や今後の方向性などがコンパクトに紹介されていて読みやすい。これから田舎暮らしを始めようとする人へのアドバイスなども記されている。今となっては10年前の本であり、紹介されている人の中には自らの田舎暮らし体験などを単著として出版している人も何人か見受けられる。しかし、1冊の本の中でとりあげられている事例が豊富なのと、内容が簡潔でいたずらに冗長ではない点で、今なお読んでみる価値はあるだろう。ガイド本ではないが、多くの有益な情報が吸収できる、要を得た田舎暮らし事例集だと思う。 |
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