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平成19年改訂版 |
『平成17年改訂 枠組壁工法住宅工事仕様書(解説付)』 | ||
一般的な2×4工法の詳細を学ぶ上で有用な一冊 | |||
この本は、フラット35(公庫証券化支援住宅)技術基準対応の仕様書で、設計検査・工事請負契約などの添付の用途にも使えるように構成されている。素人が読んでおもしろいものではないが、この解説付きの仕様書は、枠組壁工法、すなわち2×4工法の家がどのように造られているかを知るために有効な本である。 さて、内容であるが、最初の部分のコメントは省略するが、特に「〔U〕工事仕様書」が最も参考になる。その内容は、「1.一般事項」・「2.仮設工事」・「3.土工事・基礎工事」・「4.躯体工事」・「5.屋根工事」・「6.給排水設備工事」・「7.ガス設備工事・ガス機器等設置工事」・「8.電気工事」・「9.断熱工事」・「10.内外装工事」・「11.建具造作工事」・「12.塗装工事」・「13.衛生設備工事・雑工事」・「14.省令準耐火構造の住宅の仕様」・「15.3階建の仕様」・「16.耐火構造の住宅の仕様」と、順を追って住宅建設の各工事の解説が記されている。また、次編には、省エネルギー性能・耐震性能・バリアフリー性能のに関する解説もある。 自分で枠組壁工法の勉強をしようと思った人が、最初にこの本を冒頭から読みすすめたら、気力が持たないに違いない。しかし、この本は、各工事ごとに、「一般事項」を概括し、次いで各必要事項を要領よく仕分けして解説しており、参考図などもとても勉強になる。2×4工法で家を建てることを本気で考え出し、かつ具体的に各部分の構造やおさまりなどが気になりだしたら、必要部分からでもじっくりと読み込むとよいだろう。 なお、本書については、「平成19年改訂版」が出ているので、これから入手する場合は、この最新版にした方がよい。また、北海道の場合は、北海道版の分冊(200円)が出されており、全国版と併用して参照する必要がある。 |
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『自分でわが家を作る本。』 | |||
在来工法(木造軸組工法)によるセルフビルドの実践とアドバイスを紹介 | |||
この本は、岩手県職員として林務畑を歩いてきた著者がHPに公開してきた、独学によるセルフビルドの実践ノウハウを一書にまとめたものである。序章と壁量計算例・参考文献などを示した付編、セルフビルド奮戦記と題した9つのコラムと、全9章立ての本編からなる。本編は、1)材料入手法、2)設計と確認申請・模型、3)布基礎・ブロック基礎の自作、4)墨付けと刻み、5)上等作業、6)屋根工事、7)壁工事、8)内装工事、9)配線・水回り・換気などの設備工事と順を追って実践から得たノウハウが解説されている。 入手が容易なセルフビルドの実践的解説本といえば、そのほとんどがログハウスと2×4工法というのが現状であるが、本書は「在来軸組工法」によるセルフビルドの解説本である点が特筆される。言うまでもなく、在来工法は日本の風土に合わせて各地域ごとに確立されてきた工法であり、いわば日本の家造りの「古典」である。また、何よりも一般に屋根がかかるのがはやい工法であるという点で、セルフビルドの場合こそ、実践を検討してみたい工法であったが、本書の刊行によってそれが実現可能となった。もっとも、他の方法の実践的解説本と同じで、一書のみ勉強すればすべてが足るという本ではないが、在来工法で家をセルフビルドしてみたいという人は、ぜひ一読したい重要参考図書であることは間違いない。 それ故に欲を言えば、「参考文献」については、リストを掲載するのみではなく、どの点が参考になるかというコメントもぜひつけて欲しかったが、これについては筆者のサイト「DIY 日曜大工で家をつくる…セルフビルドのノウハウ」に紹介されている。 【注】 出版元の山海堂は、2007(平成19)年12月3日付で業務停止・解散したようです。 |
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『絵解き 住まいを守る耐震性入門』 | |||
在来工法(木造軸組工法)による耐震性強化のポイントを比較的平易に解説 | |||
この本は、季刊誌『チルチンびと』2005年夏号から2006年春号に8回にわたって連載された原稿を一書にまとめたものである。設計者・工務店などのプロのみを対象にした本ではなく、頑丈な家を建てたいと思っている住まい手も対象としている点がまず特徴としてあげられる。 内容は、「1.構造の基本編」から始まって、「2.地盤・基礎編、3.軸組編、4.耐震壁編、5.床組(小屋組)編、6.接合部編、7.屋根(小屋組)編」と続き、「8.信頼できる家づくりのために」で締めくくられている。各ページにはカラーで描かれた絵がふんだんに盛り込まれており、固さのない平易な文となっており、連載中から好評を博したというのもうなずける。 この本は、在来軸組工法について取りあげた本である。工務店に頼んで注文住宅を建てたことのある人ならば誰しもが経験したのではないかと思われるが、間取りや内外装はかなり自分のペースで事を運べても、軸組構造に関しては工務店任せにならざるを得ないということが多いと思う。家づくりにおいては、採光と開放感を意識した開口の取り方と、耐震性を考慮した軸組のあり方とは、せめぎ合いであるが、「素人」目には大げさに言えば大工の経験などに全面的に依拠する、ある種「秘奥義」・「ブラックボックス」的な要素が強いと思う。構造の基本的知識がない故に、その辺の話を持ち出されて「いいように丸め込まれた」ような感じを受けたことのある施主も少なくないのではなかろうか。 注文住宅にしても、セルフビルドにしても、このような良書を読み、基本的な知識をきちんと身につけた上で、家づくりに取りかかりたいものである。全100ページ強の薄手の本であり、さほど時間をかけないで読み終えられるのもありがたい。 |
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『二人で建てた家 「田園に暮す」それから』 | |||
房総の元棚田の丘陵に暮らす夫婦の生活と仕事のためのセルフビルドの記録 | |||
著者は房総半島の古民家を改築して15年間暮らし、菜食文化など自然と共生するライフスタイルを貫き、それを広く探求・紹介するエッセイスト。独特のライフスタイルとそれを支えるバックボーンは、第1章「新しい器を『理想』で満たす」で、エッセイ風に平易な語り口で紹介されている。カバーをはじめ随所に盛り込まれている写真は、外国出身の写真家である夫によるものだ。 この夫婦が旧居を出ることにして500坪の元棚田を購入し、よき地元工務店との出合いやその良心的な仕事に支えられ、無借金でコツコツと新居を建築していく様、「夫唱婦随」?でエクステリアや内装などをハーフビルド方式で手づくりし、完成に漕ぎ着けるまでのストーリーを綴った書き下ろしの文庫本である。 家づくりそのものについては、第2章からが本題。この章は「実現への第一歩『土地と資金の確保』」として、手に入れた土地に電気を引き、進入路確保のため「里道」に関係する地権者との協議を行い、夫が道づくりに励み、ダウンジングによる井戸掘りをし、さらに資金繰りとグランドデザインの検討などを進めていく様子が克明に紹介されている。 また、第3章「建築歳時記『手探りで家を建てた一二か月』」が、建築そのものの進展を書きつづった章であり、この章ひとつで全体の半分近いボリュームを占める。12月〜始まった冬の基礎作り・躯体工事は、契約した地元工務店のリードで進められていくが、夫もその作業を手伝う。細かな「こだわり」によって、当初おぼろげだった計画が、ひとつずつ工程が進んで次の工程に入るたびに修正されていく。 ハーフビルド方式は、建築主側もデザインや間取りプランの域を踏み越えてある程度勉強し、て事前に入念な打ち合わせを重ねていかないと、変更のたびに工程や時間に無駄が生じる。そして、双方に気遣いややり直しなどから来るストレスがたまってくるが、その典型例の途をたどり、苦労しながら、建築が進んでいく様子が描写されている。 さらに春になると、工事は最も難関で大詰めとなる階段づくりまで進むが、このあたりから、建築中の家に泊まり込みながら(引っ越して?)、今度は夫の作業と妻の手伝いで家づくりが進められていく。夏場が内装・建具・設備などの細やかにして手の込んだ作業や大きい出費を要する工事の時期だったようだ。齢50歳ほどででのこの作業は、労働の喜びや充実感を味わったことと同時に、肉体的には限界点までの挑戦になったようだ。 確かに、最低限の先立つものさえあれば、セルフビルドは、体力的に理想を言えば、40歳くらいまでに実践したいところだろう。かく言う評者も40歳過ぎにしてこの限界に挑んでいるので、その苦労や心境は本当によく綴られているという感想を持った。しかし、身体のあげる悲鳴とは裏腹に、建築主と施工者が同一というセルフビルドのメリットは、やがて最大限に形となって現れてくる。人目にもそれとわかるくらいであるから、当人同士にとっては如何ばかりの感慨だったろうかと推測される。 なお、ハーフビルド方式はセルフビルド方式の「簡易版」のような認識が広く流布しているように思う。しかし、これを読めば(また評者の体験からも)、ハーフビルドにはフルビルドにはない苦労もあることがよくわかる。ましてや筆者宅の場合は、大工工事だけではなく、道路造成工事、基礎の土木工事、左官工事、その他外構工事などまで自身でこなしており、その難儀と達成感は如何ばかりだったろうかと思わされる。 ハーフビルドに興味関心を抱く方には、ひとつの実践例として要を得たリポートとなっている文庫本であり、、ぜひ一読をおすすめしたい。 【注】この本のレビューは2年前に執筆してUPしましたが、何からの理由で文章を消滅させてしまいました。 そのため、上記の文は再読の上、2008.5.3に新稿として書き直したものです。 |
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『やさしく学ぶ Jw_cad5』 | |||
セルフビルドのための設計におすすめしたいJw_cad 5の極めてすぐれた解説書 | |||
この本は、あまりに有名なフリーソフト「Jw_cad 5」のマニュアル本である。cadなどとは全く無縁だったが、たまたま図面を書く必要が生じ、これを機会に独習で挑戦してみようということで、あるマニュアル本を買って挑戦してみたが、独習では進まず、この本を購入してトライしてみた。休み中に集中的に取り組んでみたところ、4日間で最初から最後まで一通り終えることができた。これもひとえにこの本がマニュアル本として極めて優れた書であるからに他ならない。説明が丁寧で、全編を通してよく意味がわからないという部分は1カ所しかなかった。巻末にはFAXで質問に答えてくれる質問シートがついているので、このようなことがあったとしても安心できる。 新しいソフトを独習するときには、マニュアル通りにやったつもりでも、その通りの結果にはならず、またそこから復帰するにもその操作が解らず立ち往生するということはよくあることだと思う。しかし、この本には、典型的な設定ミス・操作ミスなどをした場合の結果画面(症状)が示されていて、そのやり直しの手順がきちんと説明されている。これがスイスイ独習できる秘訣である。ただ、欲を言えば、例題となる図面のどの部分の操作をこれからやるのかなどを確認するときには、逐一例題となるページをめくり返さなければならないのが面倒であった。例題の図面を縮小した図を要所に再掲する、あるいは例題図面を切り離すなどの工夫はできないものだろうかと思った。 この本を1回通して学習すると、基本的な操作が一通り身に付いて作図できるようになるし、理解度が基礎レベルであっても角度・寸法の計測や作図、レイヤの組合せの活用など、鉛筆・定規で紙に向かうのに比べていかにcadを使うことにメリットがあるかを体感できる(と同時に、これをフリーソフトで提供し続けている方には、思わず最敬礼したくなってくる)。 例えば、セルフビルドの家の図面引きなどは1度きりのことなので、いちいち勉強していられないと考える向きもあるかも知れない。しかし、たとえ一期一会のソフトになったとしても、4日で一通り操作できるようになるならば、活用しない手はないと思う。この本で独習すれば、使い方をマスターするのに、わざわざどこかに授業料を払う必要などない。cadのみならず、パソコン・ソフトの解説本の鑑と断言してよい、おすすめの一冊である。 |
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『木造住宅のための構造の安定に関する基準に基づく横架材及び基礎のスパン表』 | ||
在来工法(木造軸組工法)で住まいを設計したい人には必携のスパン表 | |||
この本は、在来軸組工法によるセルフビルドには必携本と言ってよいと思う。内容は、「1.部材の寸法形式」「2.部材の許容応力度とヤング係数」、「3.荷重」、「4.設計方針」と前提となるさまざまな解説に始まって、「本題の「5.スパン表」が続く。スパン表は、在来工法の伝統的モジュールに加えてメーターモジュールも並記されている。 評者はセルフビルドのために2×4工法で設計して提出した図面を、在来軸組工法に変更して再申請したが、在来軸組工法の解説書、在来軸組工法でセルフビルドをした人の解説書とともに、このスパン表を大いに活用した。これがなければ「矩計図」などは自分で作成できなかったと思う。したがって、これは在来軸組工法でセルフビルドする場合の必携本と言ってよい。ただし、簡便に活用できる反面、その表の前提をおさえておかなければ強度的に危険な家になってしまう。特に、表紙の見返しから始まる「本書について…」の3頁分は熟読しなくてはならない。 |
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『知っておきたい斜面のはなしQ&A−斜面と暮らす−』 | |||
「斜面」について専門家が多用な観点から概括した平易な解説書 | |||
近年は、都市部でも市街地の拡大にともなって山腹などを大規模に造成した住宅地が分譲されたり、田舎でも低価格の土地や眺望を重視した土地などを求めると往々にして傾斜地をしゅとくする場合が少なくない。このように、都市と田舎を問わず傾斜地に住む人は多いが、自らの住む傾斜地とはどのような性質を持っているか、どのような危険性があってその予防のために何に留意しなくてはならないかについては、一般にはほとんど知られていないのが現状ではなかろうか。最近は地震・暴風雨などの天災で土砂崩れなどが注目されるようになってきたが、その被害にあってから、自らの宅地の性質を知ったのでは遅きに過ぎるだろう。 この本は、土木学会の地盤工学委員会、斜面工学研究小委員会によってつくられた編集委員会によって編集執筆された本であり、Q&A方式で141の設問と回答で構成されている。斜面を総合的にさまざまな観点から捉えることを意図して編集された本である。項目ごとに専門の執筆者名が明示され、また参考文献等も紹介されている。 全141の項目は、「A.総合科学としての斜面工学」、「B.防災から見た斜面」、「C.維持管理から見た斜面」、「D.環境・生態系からみた斜面」、「E.景観・計画からみた斜面」の5つのテーマに分類されており、巻末にはキーワード索引がある。一般人にも分かりやすい記述が心がけられているせいか、ぱっと見た目はいかにも難解な雰囲気があるが、読んでみるとそれなりに理解できるようなないようとなっている。サイズがB5版でページ数も300ページ近い本であるが、低価格に抑えられている。 自らに関係のあるテーマ、自らの関心のあるテーマを拾い読みしても大丈夫な本であり、「斜面」を概括的に知るために、またそこから関係の深い項目を掘り下げていく入口に位置する本として有用な1冊である。 |
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平成19年改訂版 |
『平成17年改訂 木造住宅工事仕様書(解説付)』 | ||
現在の一般的な木造軸組工法の詳細を知るのに有用な一冊 | |||
この本は、フラット35(公庫証券化支援住宅)技術基準対応の仕様書で、設計検査・工事請負契約などの添付の用途にも使えるように構成されている。評者のようなまったくの住宅建築の素人が読んでおもしろいものではないし、そもそも読書の範疇には入らない冊子である。 しかしながら、この解説付きの仕様書は、今時の木造軸組工法の家がどのように造られているかを一通り知るためにかなり有効である。この仕様書は解説付とそうでないものがあるので、この目的で入手する場合は「解説付」がよいことはがよいことは言うまでもない。 さて、内容であるが、最初の部分のコメントは省略するが、特に「〔U〕工事仕様書」が最も参考になる。その内容は、「1.一般事項」・「2.仮設工事」・「3.土工事・基礎工事」・「4.木工事一般事項」・「5.木造躯体工事」・「6.屋根工事」・「7.断熱工事」・「8.造作工事」・「9.左官工事」・「10.内外装工事」・「11.建具工事」・「12.塗装工事」・「13.給排水設備工事」・「14.ガス設備工事・ガス機器等設置工事」・「15.電気工事」・「16.衛生設備工事・雑工事」・「17.3階建仕様」・「18.準耐火構造の住宅の仕様」と、これでもかと順を追って住宅建設に必要な各工事の解説が続くのである。さらに、省エネルギー性能・耐震性能・バリアフリー性能の解説もある。 住宅建築について知りたいと思った人が、まず最初にこの本を冒頭から読み込もうとしたら、数十分後には眠りについているに違いない。入手しても、最初のうちは本棚に立っているだけという場合の方が多いと思う。しかし、この本は、各工事ごとにまずは「一般事項」を概括し、次いで「用語」・「施工方法」・「関係法令」・「留意事項」などに仕分けして要領よく解説をまとめてある。特に「施工方法」や「留意事項」の解説文や参考図はとても勉強になる。家を建てることを本気にかつ具体的にし出したら、必要部分からじっくりと読み込んでいくとよいと思う。 なお、本書については、数日前に大きな書店で「平成19年改訂版 また、北海道の場合は、北海道版の分冊(200円)が出されており、全国版と併用して参照する必要がある。 |
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『自給自邸 セルフビルド魂万歳』 | |||
アート関連の職業をもつオーナーによる店舗・工房併設の独創性あふれるセルフビルド事例集 | |||
この本は、INAXギャラリーでの「自給自邸 セルフビルド魂万歳」展とあわせて刊行された全70頁あまりの冊子で、写真を見ながら一気に読み切れる。静岡の伊東市宇佐美に建つ写真家・美術家の家、京都の伊根町津母に建つ彫刻家の家、栃木の益子町に建つ陶芸家の家2軒、静岡の南伊豆町蛇石に建つブティック経営者とミュージシャンの家を、カラー写真・モノクロ写真をふんだんに用いて紹介している。 紹介されているセルフビルド・オーナーは、みなそれぞれに独創的な要素の強い生業をもっており、その家には必然的に住居だけではなく、工房・店舗などが併設されている。住まいは人をあらわすというが、デザインといい、素材やその用い方といい、本当に独創的であり、持てる創造力を住宅建築で表現してみましたという感の強い家ばかりである。住まいは、どんな家に住みたいかよりも、そこで何をするのかということの優先順位の方が高いということを実感できる1冊である。 |
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『手づくり住まいづくり 住まいの実技実践講座』 | |||
在来木造軸組工法によるセルフビルドの実技を平易に解説 | |||
1975年以来、ユーザー向けの「住まいの実技講座」を主宰している一級建築士による在来軸組工法による家づくりの実技解説書である。全体構成は3章立てで、第1章は家づくり講座の30年の軌跡をまとめた章である。 また、第2章が内容・ボリューム共に本書のメインで、1〜8節は、基礎工事、木工事、屋根・樋工事、外壁工事、床工事、内装工事、塗装工事、水まわりの設備工事と順を追って施工の基礎を解説している。解説は、施工法や手順だけではなく、さまざまな工具の使い方からメンテナンスにまで及んでいる。さらに、左官工事の基本的な要領までもが説明されている。また、最後の9節は、「講座」の夏期実習で行った山小屋づくりの実践の記録である。 第3章は「講座」の卒業生らによる4例の家づくりの実例が紹介されている。ちなみに、このサイトでも紹介している2×4工法のセルフビルドに関する著書のある藤岡等氏もこの講座の「卒業生」ということだ。 モノクロではあるが写真と図版を随所に多用しており、とても親切なつくりとなっている。また、ユーザー対象に長年にわたって家づくりを解説してきた成果であろうか、文章も業者対象の解説書と異なって小難しさ、堅さがあまり感じられず、とても読みやすい。いわゆる「素人」が在来軸組工法の「いろは」を学ぶ本として最適な1冊だと思う。 |
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『週末家づくりを楽しむ』 | |||
週末の時間を活用した2×4工法によるハーフビルドの実践記録 | |||
著者は、単身赴任で東京の建設会社に勤める地質改良が専門の会社員で、以前「囲炉裏小屋」造りでセルフビルドにはまり、今回2×4工法によるハーフビルドで自宅を建てることにした。大勢の仲間の助力を得ながら、1年間で完成させている。 1人や2人の少人数というセルフビルドのスタイルもあるが、仲間が大勢手伝ったこの週末家づくりは、労働力的に助かると共に、協力し合って各工程を終了したときの喜びをみんなで分かち合えるという良さがあるということがよく伝わってきた。 構想・参加者・仮住まいの紹介に始まり、旧家屋の解体からエクステリアの完成に至るまでの実録は、さながら脚本・配役・楽屋紹介、第1幕・・・カーテンコールと進んでいく「週末家づくり劇場」のようであり、軽快に読み進むことができた。大勢でワイワイというノリであるが、安全確保の工夫や工具の使用法、コスト計算などの目立たない部分の記述からも、学ぶべきことは多いと思う。 |
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