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『2002年 枠組壁工法建築物スパン表 CD-ROM付』 | |||
2×4工法の住宅設計を自分で行うのに必携のスパン表、CD−ROMも便利 | |||
通称2×4工法によって住宅を建てる場合、材料のサイズとスパンの相関関係を割り出す作業は強度を維持する上で不可欠だが、本書はそれを簡便に求めるためのスパン表である。 第1編「本書の利用方法」は、建築条件の確認、スパン表運用上の留意点、架構の形態、スパン表とプログラムの出力結果などの内容で、このスパン表を正しく活用するための解説が記されている。前提条件を誤解すると、スパン表もかえって危険なものになってしまうので、きちんと目を通しておきたい。 第2編は「構造設計の方法」では、構造材の断面寸法と断面性能、材料の許容応力度とヤング係数、長期許容耐力や材料の重量、各部位の固定荷重、積載荷重や積雪荷重が解説されており、スパン表の計算方法が示されている。 第3編「スパン表」でいよいよ本題に入り、根太・床梁・たるき・屋根梁・まぐさや特殊な形態(オーバーハングなど)のスパン表が図表で記されている。また、第4編「トラス」では、合板ガゼットトラス・メタルプレートコネクターによるトラス・スチールトラスなどを扱っている。 最後の第5編「CD-ROMの取扱い方法」で、動作環境・インストール方法・操作方法などが解説されている。このプログラムは、いくつかの条件を指定してやると、スパンを瞬時に計算してくれる「すぐれもの」で大いに役に立つ。 セルフビルドで2×4工法を採用する場合、強度を確保するための強い味方となってくれること間違いなしである。評者は、2×4工法の家を設計したときに矩計図を作成して官庁に提出したが、当サイトで紹介したセルフビルドした人による解説本、初心者向けの図解による解説本を勉強した。しかし、最終的にはこの「スパン表」がなければ図面を完成させることはできなかった。2×4工法のための必携本と言ってよいと思う。 |
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『木造住宅施工の実務手順 図解チェックシート175 新訂版』 | |||
2×4工法・在来工法の両方の施工実務を現地調査・仮設工事からていねいに図解 | |||
この本は、編著者であるハウスメーカーが自社で採用している施工方法を、工事監理の観点からチェックポイントなどを明示しながら、施工段階ごとに図解シートにまとめたものである。住宅の各工程ごとにさまざまな施工法がある中で、自社が採用している、もっとも典型的なものを示すことで、場合分けによって工程の進行、すなわち本の内容展開がいたずらに煩雑にならないように編集されている。 メインとなる木工事については、2×4工法と在来工法の2つが解説されている。読者は順番にページをめくって読み進めていくと、家を建てるということの具体的な工程を頭に思い描けるように構成されている。セルフビルド向けの本は2×4工法にせよ、在来工法にせよ、価格面との折り合いもあるのであろうが、木工事がメインになりがちである。しかし、木工事は住宅工事の一部分なのであって、他を外注するにせよ、家一軒を建てるための全工程の流れを一通り理解しておくことは重要であろう。その点で、この本は、現地調査や仮設工事の手順の解説から始まっているすぐれものである。 以下、参考のため、各章のタイトルを示しておく。1.着工準備、2.基礎工事、3−A.2×4の木工事、3−B.在来工法の木工事、4.屋根工事、5.板金工事、6.木製建具工事、7.タイル工事、8.左官工事、9.塗装・外装工事、10.内装工事、11.外装サイディング工事、12.その他雑工事、13.電気設備工事、14.給排水衛生・ガス設備工事。 セルフビルドするか否かにかかわらず、木造住宅を建てようと考えている人すべての参考になる一冊だと思う。 |
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『古民家再生住宅のすすめ』 | |||
古民家再生のためのプロセスや事例などをわかりやすく解説 | |||
はじめに第1章で、高気密・新建材・短い寿命、ミンチ解体など、現代の住宅の抱える問題を取り上げて解説し、第2章で本論の古民家再生の手引きをしている。 古民家再生のための建築家の選定や費用、古民家の見つけ方や選び方、設計・解体・移築のプロセスなどが順を追って紹介されている。 また、第3章では、古民家移築の具体的事例を、建てるに至る経緯から着工・完成、住んでみての感想まで詳細に紹介している。事例は、完全移築、部分移築、古材利用の新築やリフォームなど9例にわたるが、この章の前に16ページにわたってそのカラー写真が掲載されているので、イメージがわきやすい。 古民家の再生を成功させるために最も大切なのは、それを熟知したよい建築家との出会いということのようだ。 |
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『自分でやる庭の工事』 | |||
外構工事をDIYで行うための様々な作業全般のノウハウを詳しく解説 | |||
住まいのセルフビルドとは、ちょっと異質なタイトルの本だが、この本は一般にイメージされているようなガーデニングの本ではなく、また日本の伝統的な作庭の本でもない。コンセプトは、「思い通りの庭を丸ごと作るためのノウハウ集」とのことで、要するにエクステリア工事をDIYで行いたいという人のための本だ。 住宅工事にエクステリア工事はつきものだ。しかし、大工工事はDIYでできても、土木作業の方はちょっとという人は意外に多いのではないだろうか。プロならば、小さな重機類を使ってやる工事も、素人は道具を使ってやることになる。そのような読者のために、初心者が読んでも平易にわかるように解説した本である。 その内容は、1章が「庭造りづくりの楽しみ」と題したイントロダクションだ。2章は、「土を楽しむ」として、穴掘りから杭打ち・土留めなどの土木作業の基本が道具の使い方を含めてていねいに解説されている。石垣・飛び石・池・排水管・U字溝などの作業も紹介されている。本当にここまで基礎の基本から解説している本というのも、あまりないのではないだろうか。 第3章は、「セメントを使う」として、セメントとは、モルタルとは、という解説から始まる。素人にはちょいと敷居の高いセメントを使った作業ではあるが、読んでいるうちに、これを参考にすれば何とかチャレンジできそうな気にさせられる。練り・敷き・水盛り遣方・型枠工事・ブロック積み・はつり(コンクリートの削りだし)・レンガ積み・タイル貼りなどの作業のしかたが解説されている。また、ブロック塀・フェンス・門扉・敷石・バーベキュー台・外流しの作り方もわかりやすく紹介されている。 第4章は、「樹木を育てる」として、掘り上げ・植え込み・剪定・刈り込みなどの樹木を扱う基本作業の解説である。さらに、枝下ろし・生け垣づくり・実生による育て方・伐倒のしかたや枝の処理方法など、人手をかけてやる作業の方法が、要所要所をおさえたかたちで解説されている。 第5章は、「庭の工作物をつくる」として、木材加工、鋼材を使った接合法、さらにアーク溶接のしかたなど金工の基礎までもが解説されている。作例としては、ベンチとテーブル、パーゴラ、オイル缶の釜、アーチや庭道具の収納ラックが紹介されている。 内容全般を通した印象は、今さら聞いたり、調べたりするにはちょっと…というような作業の基礎の基本から解説することに徹しており、使う道具についても、使い方や選び方から自作の方法までを紹介する念の入れようだ。この本を最初の手がかりにすれば、初心者であっても、庭まで思い通りに作ることができるというのは、決して言い過ぎではないように思った。家づくりを終えたセルフビルダーに第二の楽しみをもたらしてくれるおすすめの本だと思う。 |
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『100万円の家づくり』 | |||
在来工法によるセルフビルドの作業を6坪の切妻屋根の家づくりを通して詳細に解説 | |||
著者は、千葉県大多喜町で平飼い養鶏で生計を建てる田舎暮らしを始め17年になる。その中で自宅・鶏小屋など30棟あまりを建築してきた著者の経験から得られた木造在来軸組工法によるセルフビルドの解説書が本書である。 「100万円の家」とは、2間×3間の切妻造の家のことで、著者は在来軸組工法の基礎が凝縮されたこの家を最初に(理解しやすいように、まずは模型で造ってみてから)造ってみることを提言している。 本文中の各頁には、図や写真が盛りだくさんで、文章の理解を十分に助けてくれる構成となっている。また、巻末には、断面図・基礎伏図・平面図・小屋梁伏図・小屋伏図・軸組図・立面図・番付表、ほぞや継ぎ手などの大きくて詳細な図面が13頁にわたって付録としてとじ込まれていて、読者に理解してもらおうとする著者の熱意が伝わってくる。 また、随所に著者の田舎暮らしに関するコラムがあり、興味のある読者にとっては楽しめる内容となっている。 |
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『木の家に住むことを勉強する本』 | |||
森林・樹木・木材から説き起こした奥深い「木の家」の解説書 | |||
本書は、書名通り、「木の家に住む」ということについて解説した本であるが、単に「木造住宅」について説明した本ではない。冒頭は、いきなり「森を知っていますか?」という問いかけで書き起こされており、森の成り立ちや樹木の性質など、木の家の材料である「木材」の解説はおろか、それ以前の森づくりの段階から説き起こされている点に、まず驚かされた。本題に入るための前段階の事項を、本源にまでさかのぼって丁寧にとりあげた解説書は、「木造住宅」の解説本という枠を取り払っても、なかなかあるものではないと思う。 また、「木材」の説明のあとに来る、本題の「木の家」の構造・工程・実例等の解説もわかりやすくてためになる。さらに、「木の家」にかかわる人、特に「棟梁」などの仕事ぶりや生活、生き様までもがとりあげられている。「木の家」について勉強する本とは言わず、ことさらに「木の家に住むこと」を勉強する本としているのも、一読すれば十分に納得がいく。さらに、巻末には「木造住宅用語辞典」や参考文献のリストなども付されていて申し分ない。 A4版・全216頁と大型の装丁で、写真やイラストも大きいものから小さいものまでふんだんに使われており、本文だけではなく見た目にも十分楽しめて勉強になる内容となっている。しかも、これだけの質とボリュームを兼ね備えながら、価格は1,980円とリーズナブルなことこの上ない。「お買い得」とは、まさにこのような本を指して言う言葉だと思う。「森」・「木」・「家」・「住」に関心のあるすべての人に、おすすめの1冊である。 |
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